カッピングの目的

カッピングは、コーヒーの品質や風味を評価するための手法であり、コーヒー業界の専門家たちによって行われます。

カッピングの目的は、コーヒー豆の状態や焙煎度、抽出方法が適切であるかを確認し、風味やアロマ、酸味、甘み、苦味、ボディ、アフターテイストなどの要素を総合的に評価することです。また、カッピングは、異なるコーヒー豆を比較し、品質や特徴を理解するための重要な手段でもあります。

カッピングの方法

カッピングは、以下の手順で行われます。

1. コーヒー豆の準備: 粉状に挽いたコーヒー豆をカッピング用のカップに入れます。通常、同じ量のコーヒー豆を複数のカップに分けて用意します。

2. 湯を注ぐ: カップに適切な温度（約92-96℃）のお湯を注ぎ、コーヒー粉とよく混ぜます。

3. 香りの評価: コーヒーの香りを3回に分けて評価します。最初は、湯を注いだ直後のドライフレグランス（乾いた状態の香り）、次に、湯を注いで浮かんだ粉をかき混ぜた際のウェットアロマ（湿った状態の香り）、最後に、冷める過程で変化する香りを評価します。

4. スラーピング: スプーンを使ってコーヒーをすするように口に含み、舌全体でコーヒーの風味を感じます。

5. 味の評価: コーヒーの風味、酸味、甘み、苦味、ボディ、アフターテイストなどの要素を評価し、記録します。

6. 比較と評価: 複数のカップに入れたコーヒーを同じ方法で評価し、比較して最終的な評価を行います。

カッピングで評価される要素

カッピングでは、以下の要素が評価されます。

• 香り: コーヒーの香りは、その品質や風味の重要な指標です。フローラル、フルーティー、スパイシー、ナッティーなど、さまざまな香りが存在します。
• 酸味: コーヒーの酸味は、味わいのバランスや爽快感をもたらします。柑橘系、ベリー系、果実酸など、様々なタイプの酸味があります。
• 甘み: 甘みはコーヒーの風味を引き立てる要素で、焙煎度合いや豆の品質によって異なります。カラメルやハチミツ、チョコレートなどの甘みが感じられます。
• 苦味: コーヒーには苦味がありますが、適度な苦味が風味のバランスを整えます。苦味は、コーヒー豆の種類や焙煎度によって異なります。
• ボディ: コーヒーのボディは、口の中での感触や重さを表します。ボディが重いコーヒーは滑らかでクリーミーな口触りがあり、軽いボディはさっぱりとした感じがします。
• アフターテイスト: コーヒーを飲んだ後に残る味わいや感触をアフターテイストと言います。長く続くアフターテイストは、コーヒーの風味が豊かであることを示します。
• バランス: コーヒーの風味要素が適切なバランスで調和しているかどうかを評価します。バランスが良いコーヒーは、各要素がうまく組み合わさり、総合的な味わいが豊かで満足感があります。
• クリーンカップ: クリーンカップは、コーヒーが不快な味や香りがなく、明瞭で洗練された味わいであることを示します。カッピングの際には、クリーンカップの評価が重要な要素となります。
• 複雑さ: コーヒーの複雑さは、風味や香りの多様性や層の深さを表します。複雑なコーヒーは、様々な味わいや香りが織り交ざり、味わいに奥行きが感じられます。
• オーバーオールスコア: カッピングでは、全ての評価要素を総合してコーヒーのオーバーオールスコアを算出します。高いスコアを獲得したコーヒーは、品質や風味が優れていると認められます。

カッピングは、コーヒーの品質や風味を詳細に評価するための手法であり、プロフェッショナルなコーヒー評価の基礎となります。

カッピングを通じて、より良いコーヒーの選択や、焙煎や抽出の改善点を見つけることができます。

また、カッピングのスキルを磨くことで、コーヒー愛好家やバリスタとしての知識や技術が向上し、コーヒーの楽しみ方も広がります。